看護研究の考察の書き方|結果から何を読み取るかをわかりやすく解説

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看護研究の考察の書き方|結果から何を読み取るかをわかりやすく解説

はじめに

看護研究でアンケートを集計し、

グラフを作り、

統計結果まで出した後に悩みやすいのが、

考察の書き方

です。

結果は出せたけれど、

「そこから何を書けばいいのかわからない」

「結果の説明だけで終わってしまう」

「考察と感想の違いがわからない」

という方は多いと思います。

私自身も初めて看護研究に取り組んだ時、

結果をまとめることはできても、

その結果をどう考察につなげるのかでかなり迷いました。

今回は、看護研究初心者向けに、

結果から考察を書く流れ

をわかりやすく解説します。


考察とは?

考察とは、

研究結果から何が言えるのかを考える部分です。

単に結果を繰り返すのではなく、

  • なぜその結果になったのか
  • 先行研究と比べてどうなのか
  • 看護実践にどのように活かせるのか
  • 今後どのような課題があるのか

を整理して書きます。

つまり考察は、

結果を現場の意味につなげる部分

です。


結果と考察の違い

看護研究初心者がつまずきやすいのが、

「結果」と「考察」の違いです。

結果

集計や分析でわかった事実を書く部分です。

新人看護師では、災害訓練参加経験ありが25%であった。


考察

その結果から考えられる意味を書く部分です。

新人看護師では災害訓練参加経験が少なく、災害時対応への不安につながっている可能性がある。



考察を書く基本の流れ

考察は、いきなり書こうとすると難しく感じます。

まずは、次の流れで考えると整理しやすくなります。


① 結果を確認する

まずは、自分の研究で何が明らかになったのかを確認します。

ここで大切なのは、

結果をすべて考察するのではなく、

研究目的に関係する重要な結果に絞ること

です。

例えば、手術室の防災研究であれば、

  • 災害訓練参加経験
  • 災害対応への自信
  • 防災物品の場所の認知
  • アクションカードの理解度

などが重要な結果になります。


② 結果の意味を考える

次に、

その結果が何を意味しているのかを考えます。

新人看護師では、災害訓練参加経験が少なかった。

新人看護師は、災害時対応を具体的にイメージする機会が少ない可能性がある。

このように、

数字そのものではなく、

その数字が現場で何を意味するのか

を考えます。



③ なぜその結果になったのかを考える

考察では、

「なぜそうなったのか」

を考えることが重要です。

新人看護師で災害訓練参加経験が少なかった理由として、

  • 入職後の経験年数が短い
  • 訓練の参加機会が限られている
  • 日常業務の習得が優先されやすい
  • 災害対応教育が後回しになりやすい

などが考えられます。

ここでは、断定しすぎず、

可能性がある

影響していると考えられる

という表現を使うとよいです。


④ 先行研究と比較する

考察では、自分の研究結果だけでなく、

先行研究と比較することも大切です。

先行研究とは、

すでに発表されている論文や研究のことです。

先行研究と同じ結果だった場合

本研究の結果は、先行研究と同様に、経験年数が浅い看護師ほど災害対応への不安が高い傾向を示した。


先行研究と違う結果だった場合

先行研究では災害訓練経験が自信につながるとされていたが、本研究では明確な差は認められなかった。この背景には、対象者数の少なさや訓練内容の違いが影響している可能性がある。



⑤ 看護実践への示唆を書く

看護研究では、

結果を現場にどう活かすかが重要です。

これを

看護実践への示唆

といいます。

難しく聞こえますが、

要するに、

「この結果から、現場では何をしたらよいか」

を書く部分です。


新人看護師で災害訓練参加経験が少なかったことから、入職早期から災害対応の基礎学習や机上シミュレーションを取り入れる必要があると考えられる。


防災物品の場所を知らないスタッフが一定数いたことから、物品チェックや新人オリエンテーションの中に防災物品確認を組み込むことが有効であると考えられる。



⑥ 研究の限界を書く

考察では、

研究の限界も書く必要があります。

研究の限界とは、

この研究だけでは十分に言い切れない部分のことです。

  • 対象者数が少ない
  • 1施設のみの調査である
  • アンケートが自己回答である
  • 調査時期が限定されている
  • 介入後の長期的な効果は確認できていない

限界を書くことは、研究の弱点をさらけ出すことではありません。

むしろ、

研究結果を正しく解釈するために必要な視点

です。


⑦ 今後の課題を書く

最後に、

今後どのような研究や取り組みが必要かを書きます。

今後は、対象者数を増やし、複数部署で同様の調査を行うことで、災害対応教育の課題をより明確にする必要がある。


今後は、防災学習会後の一時的な知識向上だけでなく、一定期間後の知識定着や行動変容についても評価する必要がある。


考察で使いやすい文章パターン

考察を書く時は、次のような表現を使うと書きやすくなります。

結果を受ける表現

本研究では、〇〇という結果が得られた。


意味を考える表現

この結果から、〇〇の可能性が考えられる。


理由を考える表現

その背景として、〇〇が影響していると考えられる。


実践につなげる表現

今後は、〇〇を取り入れることで、△△につながる可能性がある。


限界を書く表現

本研究は、対象者が限られているため、結果の一般化には注意が必要である。



NGな考察

考察では、次のような書き方に注意が必要です。

NG① 結果を繰り返すだけ

新人看護師は災害訓練参加経験が少なかった。中堅看護師は災害訓練参加経験が多かった。

これは結果の説明であり、考察としては不十分です。


NG② 感想だけで終わる

新人看護師は災害訓練が少なく、かわいそうだと思った。

これは研究の考察ではなく、個人的な感想に近くなります。


NG③ 断定しすぎる

新人看護師は災害訓練を受けていないため、災害時に対応できない。

研究結果だけでそこまで断定できない場合があります。


OKな考察

新人看護師では災害訓練参加経験が少ない傾向がみられた。この背景には、経験年数が浅く、訓練参加の機会が限られていることが影響している可能性がある。そのため、入職早期から災害対応に関する基礎学習や机上シミュレーションを行うことで、災害時対応への不安軽減につながる可能性がある。

このように、

  • 結果
  • 理由
  • 現場への活用

をつなげると、考察らしい文章になります。



手術室看護師の私ならこう考察する

私が手術室の防災研究を行うなら、

次のように考察します。

結果

新人看護師では、防災物品の場所を把握している割合が低かった。


考察

新人看護師は、通常業務の習得が優先され、防災物品の確認や災害時対応について学ぶ機会が少ない可能性がある。

また、手術室は物品が多く、部署特有の設備も多いため、災害時に必要な物品の場所を把握しにくい環境であると考えられる。

そのため、新人オリエンテーションや防災学習会の中に、防災物品の場所確認を組み込むことが有効であると考えられる。


考察を書く時のチェックリスト

考察を書いた後は、次の項目を確認しましょう。

チェック項目

  • 結果をただ繰り返していないか
  • なぜその結果になったかを考えているか
  • 先行研究と比較しているか
  • 看護実践への示唆があるか
  • 研究の限界を書いているか
  • 今後の課題を書いているか
  • 断定しすぎていないか


考察を書く前にやるべきこと

考察を書く前に、

次の3つを整理しておくと書きやすくなります。

① 重要な結果を3つ選ぶ

すべての結果を考察しようとすると、文章が散らかります。

まずは研究目的に関係する重要な結果を3つ程度選びます。


② 先行研究を確認する

自分の結果と似ている研究や、違う結果の研究を探します。

NotebookLMなどを活用すると、複数の文献を整理しやすくなります。


③ 現場での意味を考える

数字や統計結果を、

現場の課題や改善策に結びつけます。


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参考文献・参考資料


まとめ

看護研究の考察は、

結果をただ説明する部分ではありません。

大切なのは、

結果

意味

理由

先行研究

看護実践への示唆

限界

今後の課題

という流れで考えることです。

最初から完璧な考察を書こうとしなくても大丈夫です。

まずは、

「この結果は現場で何を意味するのか」

を考えることから始めてみましょう。


次回予告

次回は、

「看護研究発表スライドの作り方|Canvaで見やすく伝える資料作成術」

を解説します。

研究結果と考察を、どのようにスライドにまとめるかを紹介します。

→【次の記事への内部リンク】

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